トータルリターン
トータルリターンとは、投資において得られる総合的な利益を示す指標であり、キャピタルゲイン(価格の上昇による利益)とインカムゲイン(配当や利息などの収益)の両方を合算したものを指す。これは、投資家が特定の期間における資産の全体的なパフォーマンスを評価する際に用いられる。単純な価格の変動だけでなく、分配金や利息も含めて総合的にリターンを考慮するため、特に長期投資において重要な指標である。
トータルリターンの計算方法
トータルリターンは、投資の開始時点と終了時点の資産価値の変化に加え、その間に得られた配当や利息を含めて計算される。次の式で表すことができる:
これにより、投資家は資産価格の上昇と同時に、投資による現金収入も含めて総合的なリターンを評価することができる。
トータルリターンの重要性
トータルリターンは、単純な価格変動だけでは捉えきれない投資の全体的なパフォーマンスを示すため、非常に重要な指標である。特に、配当や利息が大きな部分を占める資産(株式や債券など)においては、価格変動のみでは真の収益を把握できない場合がある。トータルリターンを用いることで、より正確な投資評価が可能となる。
トータルリターンと他のリターン指標
トータルリターンは、キャピタルゲインのみを評価する指標と異なり、より包括的なリターンを提供する。例えば、株価が変動しない場合でも、配当金が高ければトータルリターンはプラスになることがある。また、インカムゲインを考慮しない評価指標では、収益の一部が見落とされるため、特に長期の投資ではトータルリターンの方が適切な評価指標となる。