トレジャリー・ゼロ
トレジャリー・ゼロとは、米国財務省が発行するゼロクーポン債、いわゆる「ゼロクーポン米国債」を指す。この債券は利息(クーポン)が支払われない代わりに、額面金額よりも低い価格で発行され、満期時に額面金額で償還される。ゼロクーポン債は、利子がなく、その代わりに割引価格で購入し、満期時に元本との差額が投資家の利益となる仕組みである。これにより、定期的な利息支払いがない分、リスクが低く、安定的な投資商品として利用されることが多い。
トレジャリー・ゼロの特徴
トレジャリー・ゼロは利子支払いがないため、通常の債券に比べて価格が低く設定されている。また、満期まで持ち続けることで、額面金額が償還され、元本に対しての利得を得ることができる。そのため、再投資リスクがなく、将来の一定の収益が確定する点が大きな魅力である。これにより、年金基金や保険会社など、長期的な安定性を求める投資家によく利用されている。
メリットとリスク
トレジャリー・ゼロのメリットは、利息支払いがないため税務上の複雑さが減少すること、そして長期的な安定収益が見込まれる点である。ただし、インフレが進行した場合、将来的な実質リターンが減少するリスクがある。また、利率が上昇すると市場価値が下がるため、途中で売却する場合には元本割れのリスクも伴う。
投資戦略における役割
トレジャリー・ゼロは、将来の特定の支出に備えて一定のリターンを確保するための投資戦略において有効である。例えば、教育費や退職金など、長期的に必要な資金を計画的に準備する際に利用されることが多い。また、他のリスク資産との分散投資においても、安全性が高いため、ポートフォリオの安定性を確保する役割を果たす。