インダス文明|インドに栄えた太古の文明,インダス川

インダス文明

インダス文明(前2300頃~前1800頃)は、インダス川流域に青銅器文化をもつ、インド最初の都市文明である。インダス川の中・下流域を中心に、メソポタミア文明の影響も受けて成立したとみられる。壮大な計画に基づき整とした都市建設が進められ、焼煉瓦の住宅・街路・作業場・倉庫・浴場・排水溝などがあった。外部には城塞じょうの施設もあったが、強大な支配権力を示す宮殿・陵墓きなどはなかった。
青銅器・彩文土器・印章などが使用され、印章にはインダス文字が刻まれ、動植物・地母神の崇拝も見られる。滅亡の原因としては、河川の氾濫、流路の変更、気候の乾燥化などの自然状況の変化や、人為的な自然破壊、対外的な交易活動の衰退など、諸説が考えられている。

インダス川

 インダス川


インダス川

インダス川は、チベットに発し、ヒマラヤ・カラコルム山脈の氷河や雪をおもな水源として、インド西北部を南西に流れる大河である。インドの名はこの川の名に由来する。インダス川流域は、農耕に適する肥沃な平野であり、下流域は海を通じてペルシア湾・メソポタミア文明方面、紅海・エジプト方面と交渉をもち、上流域のパンジャーブ地方は陸路メソポタミア・ペルシア・バクトリアなどの諸地方に通じていた。遺跡からは、南インドの金、ビルマの硬玉、アフガニスタンやイランの銀・銅・ラピスラズリなどが発見されている。

文明以前

更新世のインドです旧石器時代の遺物が発見されており、新石器時代には農耕文化が栄えていた。インダス川流域は最も早く開けた地域は、インダス文明は、前2300年ごろからメソポタミア文明の影響を受けてから青銅器文化をもつことで起った。都市文明が起こった。

ドラヴィタ系

ドラヴィダ系の言語を使用したインド先住民族の一つで、アーリヤ人に先立ってインドに進出、インダス文明を築いたと推測されているが、詳細はわかっていない。。現在は南インドを中心に分布している。

タミル語

ドラヴィダ系の言語で、この言語を使用したタミル人が、インド南端部にチョーラ朝やパーンディヤ朝を建て、1~3世紀にはこれらの国ぐにでタミル語文学が栄えた。

ハラッパー

ハラッパー

ハラッパー

ハラッパーは、インダス川中流域のパンジャーブ地方にあるインダス文明の遺跡である。1921年にインダス文明では最初に発見された遺跡で、植民地インドの考古調査局の一員であったインド人学者サハニによって発見された。東西200m、南北400mの城塞で、城門・住居・穀物倉庫・仕事場など多くの建物群がある。

モヘンジョダロ

モヘンジョダロ

モヘンジョダロ

モヘンジョダロは、シンド地方(現在のパキスタン南部、インダス川の下流域)にあるインダス文明の遺跡である。「死人の丘」を意味する。1922年に考古調査局のインド学者バネルジーによって発見された。ハラッパーの約600キロ西南方のある。排水溝を持つ街路が整然と走り、煉瓦造りの家屋が並び、穀物倉庫や大浴場などの多くの建物群がある。周囲5kmを超える大規模なものである。

大浴場

モヘンジョ=ダロ遺跡城塞部の中央近くにおかれた大浴場で知られ、その浴槽は縦横12×7.5m、深さ2.5mあり、宗教的な水浴のために使用され、大浴場はのちのヒンドゥー教における水浴の風習と関係があるとみられる。

市街区

市街区には碁盤目状に大小の道路が通じており、舗装された街路に沿って焼煉瓦造りの堅固な家屋が並んでいる。各家屋は井戸と浴室をもち、汚水は排水溝によって街路わきの下水溝へと流しだされたようである。市街区の西北部には小高い城塞部が存在し、ここに公共建造物が集中している。このような状況から一定の都市計画に基づいて作られたことがわかる。

遺産

インダス文明は、メソポタミア文明に比べて、神殿や王墓がなく武器もわずかであり、比較的平和であったとされている。インダス文明の多くの遺跡からは青銅製工具、二輪の牛車・金銀宝石の装身具、象形文字(未解読)とともに動物・神象を刻んだ印章などが発見されている。

畜産

農業が基礎産業で、農民は磨製石斧で小麦・大麦・綿花・柳子を栽培し、冬作(麦)と夏作(雑殻)という二毛作を見られた。家畜としては牛がもっとも重要であり、豚・水牛・象などを飼育した。銅で作った釣り糸があったことから漁業が盛んであったこともわかる。

工業

ロクロを使って作られた彩色土器などが大量生産で作られた。その他象牙細工、貴金属、宝石細工、綿織物が作られている。

ロータル

ロータルは、インド西部グジャラート州にあるインダス文明の遺跡である。

ドーラヴィーラー

ドーラヴィーラーは、1990年、インド西部カッチ湿原で新たに発見されたインダス文明の遺跡である。モエンジョ=ダーロに匹敵する大規模なものと推定されている。

インダス文字

インダス文字は、インダス文明の遺跡で出土した印章に刻まれた象形文字である。この文字はまだ解読されていないが、ドラヴィダ系の言語とみる説が有力である。

印象

柔らかくなめらかな凍石で作った印象が多数出土しており、商人が帳簿の押印に用至り、財産や商人に泥で封をしたあとの押印に用いた。圧印は呪術的な行為であるため、雄牛、像、虎など神聖視される動物や神像らしきものが彫られている。

インダス文明の崩壊

インダス文明はアーリヤ人が到来する頃には終末の段階を迎えていた。理由は洪水、気候の乾燥化、耕地の不毛化、交易活動の不振など諸説が考えられているが、詳細はわかっていない。